高等師範学校

エリートを育成するための学校

フランスの高等師範学校(ENS=エコール・ノルマル・シュペリウール)は、様々な業界でリーダーをなるべくエリートを育成する目的の教育を実施している学校です。
世界各国の大学ランキングでも30位以内にランクインしており、フランス国内ではトップクラスを誇っています。
実際にENSで学んだ人達は優秀な人材として様々な功績を残した人がたくさんいます。
創立当時のエリート養成という目標を現在でも忠実に守り続けているフランスを代表する名門校として君臨し続けています。

ENSに入学する際には国家試験を受験して合格するとノルマリアンと呼ばれる準公務員という立場になって給与をもらいながら学習できます。
海外留学生については国際選考をパスしなければいけませんが、難関校のひとつとしてあげられており狭き門となるのは確実です。
2~3年間の教育期間が設けられており、その期間中は1000ユーロほどが手当として支給されることになります。

歴史

ENSが創立されたのは1794年のことです。
この頃のフランスはちょうどフランス革命が起こっていた時期で、混乱さなかで将来のエリートを育てる目的として創立されました。
当初は教員養成のために設立されましたが、翌年に廃止されてしまい、その後の1808年になって英雄と称されるナポレオンによって再度設立されることになった経緯があります。
その後、大学の教育者や研究者となる人材を養成することを目的にしたエリート学校として定着して現在に至っています。

学費

フランスの大学は学費が安いことでも有名ですが、ENSの場合は授業料がかからないだけでなく、給料という形でお金を受け取ることができます。
あくまでも優秀な人材として活躍するべく教育を受けさせてもらっているという意識を忘れてはいけません。
日本とフランスの間にはフランス政府給費留学制度があります。
双方の国で優秀な学生を研究者として育成する目的で実施されている制度です。
この制度を利用するためには厳しい選考をパスしなければいけません。
できればフランス語を理解できるスキルがあると良いですが、必須ではないため自信がある方は積極的に応募してみてはいかがでしょうか。
なお、授業料以外の学費として生活費は準備しておく必要があります。

著名な出身者

優秀な人材を輩出するために設立された学校なので、これまでにもたくさんの優秀な著名人が誕生しています。
数理経済学の始祖と呼ばれているアントワーヌ・オーギュスタン・クールノーはENSで学び、経済学や数学を教える教師としても活躍しました。
ノーベル経済学賞を受賞したジェラール・ドブルーやノーベル物理学賞を受賞したピエール=ジル・ド・ジェンヌなど様々な功績を残している人を輩出しています。